ゆっくりと目を開けると、すぐに母の背中が見えた。

母は何やら忙しなく色んなところを整理していた。


「…お母さん」


私が声をかけると、母は一瞬だけ手を止め、またガチャガチャと色んな場所を触り始める。


「起きたのね」

「…今日は何日?もう夜?」


部屋の中はもう既に真っ暗で、ベット横にある小さな灯りだけが頼りだった。


「お母さん?」


私の質問に答えない母に心配になる。

母はやっと振り返ると、私の頭を撫でる。


「もう少し寝てなさい、まだ目がうつろうつろしてるわ」


母は何度も私の頭を撫で、心地よい感覚に襲われそのまままた目を閉じた。