再び、光が差す-again-〈下〉

次の日、会う約束をしていたカオルから連絡が入った。

今日は会えないという内容だった。


「綺月」


その連絡を見たと同時に、菜穂が駆け寄ってくる。


「暫く溜まり場には行かない方がいいかも」


菜穂は持っていた携帯をギュッと握り締めて言った。


「…え?何かあったの?」

「せっきが昨日病院に運ばれたって」


人の恋愛に首を突っ込む時間さえ無く、また何かが起きようとしていた。

そして、二年前の大抗争から止まっていた時間がゆっくりと動き始めていた。

私の知っている世界から、知らない世界へと引きずりこまれる感覚に物凄く恐怖を感じた。