再び、光が差す-again-〈下〉

それでも、男に何重にも縛られたガムテープを爪が欠けるのも気にせずひたすら剥がしていく。

杏樹が来る前に、杏樹が来る前に…

何度も心の中で連呼しながら、自分で自分を急かす。


「やめろ」


その声に、私の手が止まる。


「余計なことをするな」


顔を上げると、いつの間にか杏樹が部屋の中に入って来ていた。

心底驚いている時は人は声も出ないのだと呑気に思う。


「何度言ったら分かる。
大人しくしてろ、何もするな!」


杏樹の殺意が私の肌を容赦なく刺す。

今すぐにでも逃げたい。

息が詰まるような恐怖から逃げ出したい。

だけど、私は今切実にあなたの痛みを理解したいんだ。