「Againの情報をお前が横流ししなくても、俺は自分でも調べられる。
お前がなんのために俺に話を持ちかけたのか、調べればすぐ分かるんだよ」


この状況に桜が悔しそうに唇を噛んだ。


「お前が幸人に執着して自殺未遂したことも、裏でアザミのメンバーを自分の身体使って味方につけてることも、全部俺は知っている」


杏樹が桜の肩を足で壁に押し付ける。

息をするのも忘れるほどの恐怖に包まれる。


「お前と手を組んだのは、あまりにも可哀想だった、それだけだ」


可哀想と言われることに敏感に反応する桜は更に唇を強く噛み、切れて血が滲む。

杏樹は桜から離れると、今度は私の顔を見る。


「大人しくしてろ、お前らを傷つけるつもりは無い」


大人しくしてさえいれば私達には手を出さないと都合よく変換できる言い回しだった。


「お前もここにいろ、また余計なことをしたら今度はその綺麗な顔面潰すから」


恐ろしいことを桜に言い残すと、まだ蹲っている男二人を連れて部屋から出て行った。