私が現実から目を逸らすように強く目を閉じた瞬間、ドアが破壊したんじゃないかと思うほどの大きい音を立てドアが開く。

突然の凄い音に部屋内にいた全員が肩をビクつかせる。

薄らと目を開けると、誰かが目の前を通り過ぎる。

その瞬間菜穂に跨り襲っていた男が突然吹っ飛び壁に叩き付けられた。

男の身体から鈍い音が聞こえ、情けないうねり声をあげると、その場に腹を押さえ蹲る。

一瞬の出来事に驚いていると、私の腕をしっかりと掴んで離さないもう一人の男が急に痛がりだす。

すぐに男が私から手を離すが、それでも男は悲鳴をあげながら声を上げ膝を付く。


「すいません！すいません、杏樹さん…！」


男は懇願するように何度も謝る。

確かに目の前には二人を痛めつける杏樹がいて、まるでヒーローのような登場に私は息をするのも忘れるほど驚いていた。


「俺のいない所で好き勝手するな、次やったらお前の骨へし折ってやるからな」

「すいません、もうしません！」


杏樹は圧倒的な強さで二人の男を再起不能にすると、やっと男達を解放する。