再び、光が差す-again-〈下〉

【綺月side】



───バタン


私達を連れ去った男が分厚い扉を閉めた。


「目が覚めたか」


杏樹は煙草を口に加えながら、放置状態なビールボックスに腰掛ける。

菜穂が私の手を強く握る。


「そんな警戒するな、別に何もしない」


杏樹は煙草の煙を吐くと、ムワッと私達にまで匂いがくる。

杏樹の甘い香水の匂いと煙草の匂いが混ざって吐きそうになる。


「じゃあどうして私達をこんなところに閉じ込めるのよ」

「まさかお前が俺の顔を知ってるとは思わなかったからな、こればっかりは誤算だ」


杏樹は菜穂のことを知っているような言い草に菜穂が静かに息を呑んだ。

杏樹の放つ殺気のような、見るからに強そうなオーラが凄くて迂闊に変なことが出来ない。