再び、光が差す-again-〈下〉

「この状況で落ち着いてられるかよ!」

「今のお前がバイク乗ったら確実に事故る、落ち着くまでここにいろ」

「冗談じゃねぇよ!
そんな馬鹿なことしてる間に二人に何かあったらどうすんだよ!」


冗談じゃないと聡に殴りかかろうと自我を忘れ凶暴化している自分に気づく。

聡の言う通り今の俺は冷静さを欠いていた。

聡の胸ぐらを掴んでいる手を振り払われ、今度は聡の方から俺の肩をガッシリと強く掴んだ。


「杏樹は俺を殺りたいはずだ。
俺が来るまでは二人には絶対手を出さない、絶対にだ」


そんな昔の話、今はどうかも分からない。


「杏樹は今まで女の子には徹底して手を出さなかった。お前も知ってるだろ?」


二階の部屋から一喜が出てきて、聡同様に同じことを発する。

確かに、杏樹に出会ってから杏樹が女に手を出したところを見た事がない。

だから余計杏樹が二人を狙った意味が分からないんだ。


「頼むから、今は冷静になれ。
お前も幸人も」


聡は自分が杏樹を野放しにしすぎたせいで二人を巻き込んでしまったと自分を責め、見るも耐えない酷い顔をしていた。