冷たい感覚に強制的に閉ざされた瞼を開くと、思い出す首を絞められる苦しさに喘ぐように咳き込む。

大丈夫だ、ちゃんと息してる。

首に違和感があってもちゃんと息をしてることに取り敢えず安堵する。

コンクリートの地面が冷たく、重たい身体を起こす。

ここはどこだろうと辺りを見渡すと、隅の方で倒れている菜穂を見つける。


「な、菜穂っ…!」


私は菜穂に駆け寄り、まず息をしているか口元に耳を近付けると、微かに呼吸する息づかいが聞こえて肩を落とす。


「菜穂!菜穂!」


菜穂の体を揺らしながら菜穂の名前を呼ぶと、暫くしてからゆっくりと目を開ける。

薄目で私のことを見て、飛び起きるようにすぐに身体を起こす。


「綺月、大丈夫?怪我してない?」


菜穂は心配そうに私の身体をベタベタと触り隈無く確認する。