アナタノオト

海音side

新学期開始1日目は特に何もなく終了して、2日目に入った。

「白浜さん」

カバンを机の上に置いたわたしに声を掛けたのは隣の席の くん。

短めの薄く赤みがかった茶色の髪の毛。

小麦色の肌に、白い歯が眩しいほど映える。

「おはよう」

 くんが口を動かしながらした動作に目を見開いた。

「な、んで……」

一瞬にして喉の奥が渇いたかのような掠れた声が出た。

けれど、喉の奥にへばりついたかのようにちゃんとした声にならなかった。

「これでいんだよな?おはよう の手話」

その純粋な瞳。

「やめてっ!」

わたしは くんに背を向け、わき目も振らず教室を駆け出した。