「生都、水穂。着きましたよ。」
チャイルさんの声。
ここは。
初めての場所なのに見覚えがある気がする。
聞かなくてもわかる。
わたがしの国だ。
相変わらず霧が濃くてほとんど何も見えない。
隣で水穂がきょろきょろしているのがうっすら見えるか見えないかという感じ。

俺らは、気を失っていたのか。
とりあえず辿り着けて良かった。


「うごけるのなら、こっちに来て。カミサマが待ってるわ」
チャイルさんは俺らが動くのを待ってくれていたようだった。