下ばかり見ていたから気づかなかった。
目の前には古いトンネルがあった。
(古いけどしっかりと作られている)
そう感じただけなのに、何故か安全だと、入っても大丈夫だと確信する。2人で吸い込まれるようにトンネルへ入っていく。
でもそれはそんなに長くはなくて、すぐに目の前がまた明るくなった。
もうひまわりは見当たらない。
代わりに小綺麗に並ぶ赤い鳥居たち。

鳥居。
神社。

ーカミサマ
「うそ。もしかして本当にわたがしの国、あるの?」
この山で神社が近くにあるとは聞いたことがない。
でも目の前に広がる景色を信じるしかない。

「だから言ったでしょ?」
自慢げに言う水穂。
思わずうなずいてしまう。


足を止めて見入ってしまうほどにきれいに並んだ鳥居。

差し込む日の光と、優しく明るく輝いている木々。


2人で並んでゆっくりと鳥居をくぐり抜けていく。