「う、うわああああ…!!」

教え子の、同じ学校の生徒の石塚リュウキになっていた。
真田くんと仲がいい友人の子だ。先ほどの女性は石塚ママということだろう。
やばいやばいやばい。これはどうしたらいいんだろう。どうするべきなんだろう。
思わず奇声をあげてしまって、階段の下から「ゴキブリでもでたの!!?」と同じ声量で石塚ママが叫んでいる。

ごめんなさい、ゴキブリのほうがよっぽどマシですと心の底から思った。

お弁当を持たされて、私はスマホで検索しながら学校へのルートを歩く。
徒歩20分、自転車での申請をしているから10分くらいでつく。その間に、疑問点を整理していた。
私が意識を失って3日後がたったってこと。
石塚君は死んでいないということ。

私は安否が不明であるが、ほぼ死んでいるに近いと思っている。
どういう経緯であれ魂が実体を離れているんだ。それは心臓がたとえ動いていたとしても、人として死んでいるのだ。