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もしかして、死んだかもしれない。
真っ暗闇だった視界が、どんどん陽の光のような柔らかい暖かさで明度が薄くなっている。
このまま、目を開けたら、頭に輪っかとかついているのかもしれない。

「リュウキ、起きなさい」

誰かの母親が近くにいるのだろう、学生の朝のようだ。と、思ったが違和感に気づいて、すぐさま目を開ける。

誰、この女の人。

固まっていると、その女性は目をパチクリさせた。そしてぶつくさ文句を言う。

「あら、珍しい。けど、毎日毎日私は目覚まし時計じゃないんだよ。いい加減にしな、ほら学校早く行きなさい!!」

そう言うなり、部屋を出ていった。
まるで、母親のようだ。私の母親ではないけれど。

そして自分の両手を見た、ごつごつしていて大きい。
顔も、髪も触る。スキンケアだけが美容で頑張っていたので、私の肌は青春を感じるにきびはできないし、それに、髪もこんなツーブロックで刈り上げている箇所はない。

一つの可能性に、一種の絶望を感じながら彼のものであろうスマホのインカメラを起動した。