教壇の教師、悪食なり

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病院で目覚めたのは、それから一週間くらいたってからだ。
私は平然と学校で教師をやっている。彼は挙動不審で、こちらを見ているが無視している。
ただ、一言「病室のことは内緒」と口止めしただけだ。
かわいそうに、少し憐れんでもいる。また、イタコの彼とも噂になってて面白かった。

そう、月日はたって二年。彼は自分の誕生日が来るなり、職場に押しかけてきたのだ。
大学に通っているが、自分で学生起業家として会社を立ち上げているらしい。

「先生、俺、あんな風に言われたら忘れられません。先生、今フリーですよね?」

頷く前に頬を捕まれ、キスされる。

「悪魔の女に落ちましたねかわいそうに」

「望んで落ちたんで悔いはないです」

いい男になって、まあ。
私は見る目があると思う。
こんなかわいらしい男がぞっこんなんて。