なるほど。彼はわたしに恨まれてると思いこんでいるが、自分で自分を呪っているのだと知った。
「私は申し訳ないけど、貴方を恨んでもないし怒ってもない。本当のこというなら告白の返事をしなくていいんだと思えば少しほっとしたくらい」
彼は愕然とした表情でこちらを向いた。
ただ私は続ける。
「真田さんが優しい人って知っているし、真っ直ぐな人だからこうって思ったら突き進んでいるし、苦しむときは苦しみぬくことも知っている。だから授業の内容以外も色々聞いてくれたんでしょう」
彼は苦々しい顔をしていた。
「抱えきれなくなったら、先生んとこ行ってたんです。淡々と受け入れてくれて、きかないといわない距離感が気持ち良かったんです」
でも、と続けた。
「模範的な先生がもどかしくて、生徒ではなくて男個人として見られたくて告白の時、怯えられてたけど少し嬉しかったんです。あの時は先生じゃなかったから、でも、落ちていってしまって凄く後悔しました。すいませんでした、本当に。謝って済む問題じゃないんですけど」
す、と一筋に涙が溢れた。お互いに流していた。
教師と生徒、教壇に立つものは人間性がたとえどんなものでも先生であるべきなのだ。
それは自分が信念として、ぶれてはいけない柱だった。
「私は申し訳ないけど、貴方を恨んでもないし怒ってもない。本当のこというなら告白の返事をしなくていいんだと思えば少しほっとしたくらい」
彼は愕然とした表情でこちらを向いた。
ただ私は続ける。
「真田さんが優しい人って知っているし、真っ直ぐな人だからこうって思ったら突き進んでいるし、苦しむときは苦しみぬくことも知っている。だから授業の内容以外も色々聞いてくれたんでしょう」
彼は苦々しい顔をしていた。
「抱えきれなくなったら、先生んとこ行ってたんです。淡々と受け入れてくれて、きかないといわない距離感が気持ち良かったんです」
でも、と続けた。
「模範的な先生がもどかしくて、生徒ではなくて男個人として見られたくて告白の時、怯えられてたけど少し嬉しかったんです。あの時は先生じゃなかったから、でも、落ちていってしまって凄く後悔しました。すいませんでした、本当に。謝って済む問題じゃないんですけど」
す、と一筋に涙が溢れた。お互いに流していた。
教師と生徒、教壇に立つものは人間性がたとえどんなものでも先生であるべきなのだ。
それは自分が信念として、ぶれてはいけない柱だった。

