教壇の教師、悪食なり

「え、あー-まあ」

動揺しすぎて肯定してしまったが、これはチャンスなのかもしれない。
私として対話できるから。

ただ、イタコってどうやるの??我流でいける??
とりあえず拳を前に出して思いっきり握る。こんなもんパフォーマンスだ。
死ぬほど恥かしい。しかも私いる前でそんなことさせないでほしい。生きていたら笑ってる。

「ふんっ!!!」

と言いそのまま身体の力を抜いて項垂れる。なんだろう、ドン引きだ。自分に対して。

「真田さん」

彼は驚いたようにこちらを見た。

「先生…」

「ちゃんと寝てる?あなたのせいじゃないのよ、隈まで作って」

彼はまじかよ…と呟きながらとどめなく溢れてくる涙を学ランの袖で拭った。

「いや、俺のせいです」

「やっぱり頑固だね」

思わず小さく笑った。だから、生きにくいというのに。性分は死んでも付きまとう。
不幸だと思わないが苦労するだろうなと思った。

「俺、あんなこといわなかったら先生はこんなことになっていないじゃないですか」

「あの日に起きたのは、階段で落ちて意識を失った。ただそれだけよ」

「俺は責任を取りたいんです、というより、卑怯だけど許されたいんです。罵ってほしい、殴ってほしい、先生の当たり障りのない言葉は本当に思っているかわからないじゃないですか…」