教壇の教師、悪食なり

校舎を出たのはいいが、どこに行けばいいんだろう。生まれて初めての(諸事象あり)サボりは胸がドキドキしている。
振り返れば彼はどんよりとした表情だ。

どういう気持ちなんだろう。

私は一つ提案してみた。

「先生の病院行かないか?」

俺は行くけど、と付け足すと真田君は目をまん丸にして、そのあと不機嫌そうな顔して「なんで」といった。

「俺が心配だから」

どうなっているかこの目で確認したい。あと、彼は罪悪感に苛まされているから、見ない現実より見る現実を選ぶほうが彼にとっていいのかもしれないと勝手ながらに思った。
彼は今日一日見て、泣いているようだった。いつも見せるような顔は全くせず、身体も顔も強張っていた。

「わかった」

その答えにほっとしながら、スマホで病院を探す。

「こっち」

彼はどんどん先を歩いた。