教壇の教師、悪食なり

学校に着いたら、今日の一発目の授業から国語だった。
代わりの先生は、いなく自習とされていた。もしかしたら、職員室の番人であるご隠居された実美先生の授業が受けれるかもしれないと思ったが。

自習となれば真面目に自習をうけるかと言われれば、受けないのが定説だ。
かろうじて進学校なこちらも例外ではないだろう。
がやがやとした中で後ろから女の子の一言で、私は耳をすませた。

「大坪先生、大けがなんだってね。意識戻らないらしいよ」

「まじ!?階段から落ちてそれはやばいね」

私もやばいと思うわ、続けてほしい。

「すぐさま病院運ばれたらしいんだけど、あの一条病院だって」

一条病院、隣町の総合病院だ。今日、向かおう。自分がどういう状態になっているか知りたいし。

「まあ先生帰ってこなかったら永遠に自習だけどねー私そのほうがいいんだけど」

だよねーと続けた女生徒の遠慮ない言葉に心がぐっさり裂かれたが、まあ学生だし当然かと思ったがー--。

「お前、そんな人でなしみたいなんよく言えるな。性格悪すぎて無理なんだけど」