その家の庭には大きな木があった。銀色の葉っぱがちょっと変わってると思った。
その下に立って見上げていたら、横から「ギンドロというのよ」と、愛夢ちゃんが銀色の木の名前を教えてくれた。

ギンドロの下には噴水があった。少女の像をかたどったもので、周りにそんな洒落たものを置いている家はなかったからとても珍しかった。僕はその石像の少女と愛夢ちゃんがよく似ていると思った。