質問したのに質問で返された…。
聞きたいのはこっちなのに。

「だからっ!?」

振り向きながら、質問に答えて!と言おうとしたのに遮られる。
しかも口の中に何か入れられた。

「ー!?」

「ん?もっと食べる?」

「えいや、そうじゃなくてっ!?」

また何か放り込まれた。
口の中に広がる甘味。

とろけて消えてしまう。

「ホワイトの板チョコ。」

そう言った秋庭くんは、ホワイトチョコレートにかぶりついた。

その仕草が美しすぎて、思わず魅とれてしまった。

わ…。
わわっ…。
てか、いつの間にチョコレート取り出したの?

「はい、宇佐美さんあーん。」

「ん?あー…。」

あれ?
条件反射?
思わず口を開けてしまった。

何かもう餌付けされてる状態。

「素直で可愛いね。」

!?

「あー、癒された。もう遅くなっちゃうから、帰ろうか。」

外を見るとまだ明るいが、時計盤5時半過ぎを指していた。