記憶喪失のお姫様は冒険者になりました

「……」
お父様達がいた。
ミルフィーは無事だろうか?
今すぐに無事か確認をしたい。
だけど……今はクロさんを助けなきゃ。
私はクロさんの方を見た。
クロさんはどうして私がここにいるのかと不思議そうに、驚いた顔をしていた。
「どう……して、ミホが…」
「手を上げろ!」
騎士達は私に剣を向けてそう言った。
「……剣をおさめなさい」
私は騎士達を睨みつけた。
一瞬、怯んだが剣をおさめる気は…どうやらないようだ。
「貴様、ドラゴンを逃がした仲間か?!」
そう1人の騎士が言った。
正確には私が独断で逃がしたんだけどね。
「!」
クロさんのことに気を取られていたため、クロさん以外の人も囚われていたのに私は気づかなかった。
「……無関係の人をっ」
お父様達は聞いた情報が正しいと決めつける。
それが間違いであったとしても…確認をせずにそのまま裁く。
私はそんなお父様が昔から大っ嫌いだった。
罪もない人を平気で殺し、後で間違ったとわかったらお金でもみ消す。