酷い話だ。
胸糞悪い。
こんなやつらのせいでシュティーナは…っ!!
話を聞き終わるとすぐにわしはその場を去った。
証拠は揃った。
あとは…。
シュティーナが帰ってくるのは待つだけだ。

「私の名はシュティーナ・ウル・キャベン!この国の第1皇女である!」
さぁ、シュティーナ。
お前は何も悪くないことを証明しよう。

シュティーナは家に戻ってきた。
王位を与えられたというのにシュティーナは自分にはふさわしくないといい、代わりに兄のバルーンの名を出した。
シュティーナは本当にいい子だ。
前よりももっと強く、逞しくなって帰ってきた。
そして何よりも生き生きとしていた。
笑顔も輝いて見える。
いろんなことを学べたんだな、シュティーナ。
わしはココロの底からホッとした。
そして1ヶ月半が経った頃、シュティーナはわしの元へと訪れた。
「どうした、シュティーナ?」
シュティーナは笑って言った。
「お爺様、私ね、冒険者になる!大切な人をそばで支えたいの」