「あの……春永は…」
「今鎮静剤打って寝かせてる。番になっているかは分からない」
「……そうですか」
「ただ、かなり強く噛み付いていたからな」
時雨さんの手当てを受けたあと
「無理矢理番にされるのはオメガにとって絶望なんだ」
「は……るさん」
「俺、永和に無理矢理噛まれたんだ」
「え!?」
春さん大好きのあの永和さんが?
「正直番になるつもりなんて無かったのに怒り狂った永和が嫌がる俺の首を噛んだ」
「でも…」
「俺も番になってしまって永和を縛り付けてしまうって絶望した」
「そんな風には見えないのに」
「そう。今は番になって良かったって思う。だからお前が本気なら俺は何も言わねぇ。だがな」
真っ直ぐと伸ばされた春さんの腕は俺の胸ぐらを掴み
「適当に扱うつもりなら殺す」
あり得ないほどの殺意を浴びた



