謝っても許されることじゃない
番になんてなってしまえば春永はずっと苦しむ
「どうしよ……」
生まれて初めて誰かを想って泣いた
俺が泣く資格なんて無いのに
「……月愛、ひとまず手当てしよう。番になってるかどうかは一旦保留だ」
そう郁也さんは言うが
春永の首を噛んだ記憶は無くても感触が残っている
かなり深く噛み付いた
本来のヒートであれば確実に番になっている程に
ただ、今回は強制的に引き起こされた擬似ヒートだから
番になってない可能性もある
「……永和も春さんもお前の話聞いてくれるよ」
「けど…」
「噛んでしまったことはどうにもならない。だけど今回は事情が事情だ」



