「春さん!!」
「悪い……力が抜けた」
春………?
「月愛はそのこと知ってるのか?」
「知らないよ。ずっと嘘付いてるから」
「そうか………あの時か?」
「うん。月愛は意識トんでたし仕方ないよ」
春は複雑そうな顔をする
「無理矢理番にされることに絶望することはある。俺はそうだった……永和を俺に縛り付けてしまうって……」
うん
その気持ち凄く分かるよ
俺も同じこと思ってるから
月愛を縛り付けてしまうことが怖い
だからアメリカに行くんだ
「けどっ……番と離れるのは半端ない覚悟が居る。俺は実際永和から離れて1人で春永を産んだ。
春永が産まれるまでは頭がおかしくなりそうだった」
永和はそっと春を抱き寄せる
「春永が居なかったら死んでいたかもしれない。それほど番が居ないというのは苦しいんだ」
「………番と離れるのが生半可な気持ちじゃ駄目なのはよく分かった」



