「………春永、言いたくないなら言わなくて良い」
「永和……」
「春永が辛い思いするくらいなら話さなくていい。ただ俺も春さんも春永が大切だから心配してる。それだけは分かって欲しい」
分かってるよ
永和と春が目一杯愛情をくれてることなんて
これ以上誤魔化すのは2人にとっても辛いんだろうな
「ごめんね。心配かけて………でも大丈夫だから」
「春永?」
「番居るよ」
ここで相手が月愛だと言えば月愛と俺を引き離すのかな
離れたくないと思ってしまうが
俺と月愛は離れるべきなんだ
丁度良い
「相手は誰だ」
「………永和、ひとつお願い聞いてくれる?」
「何だ」
「番が誰なのか知っても月愛のことここに居させてあげてね」
「………」
これで相手は誰なのか気付いたのだろう
「春!?」
「春さん!?」
春が椅子から崩れるように倒れた



