「こっちの話。月愛は西山宗次郎に言いたいこと言えよ」
「言いたいことなんて無い。今更会ってもどうすればいいか……」
「不満ぶつけるだけで良いんだよ」
親子なんて喧嘩してなんぼだろ
「不満……」
月愛は少しだけため息をついて
「春永も永和さんも自分達のことばっかり考えれば良いのに」
「何で俺達への不満なんだよ」
「ははっ……」
俺の手を握って
「西山宗次郎……さん。初めまして、漆原月愛と言います」
「……」
「俺あんたのこと大っ嫌いです」
良い笑顔で言い切った
「母親のことも俺と姉貴のことも見捨てたあんたが憎い。だけどあんたが居なければ俺は産まれてないし春永にも出会えなかった」
月愛の表情は晴々としている
「嫌いだけど憎んではない……かな。俺、今幸せなんだ。春永っていう運命の番と出会えて」
幸せだと言ってくれる月愛の言葉に俺が泣きそうになる



