秘書はあらがえない気持ちを抱いて

「…行くな。」

「お前が相手をするなら、行かない。」

「はあ!?/////お前、何言って…」

「どうする?」

「どうって…俺がお前と…」

俺が進一郎の相手をすれば…

それに、こんな機会もうないだろう…

いや…これからのことを考えれば、そんなこと出来るはずが…

そう、出来るはずがない。

俺は使用人。進一郎は主だ。

心が通じたとしても、あってはならないことだ。

だけど…

俺のぐちゃぐちゃした思考が手に取るように分かるとでも言いたげに、進一郎は渇いた笑いを漏らした。

「まあ、お前には無理だろうな。じゃあ、朝迎えに来てくれ、後は頼んだ。」

進一郎が俺に背を向け扉に手を掛けた。