秘書はあらがえない気持ちを抱いて

「それなら、このままおもちゃに犯されてイケ。」

「そんな…」

進一郎は手に持っていたリモコンを強に変えた。

「ああっ!」

俺は、そのまま進一郎の前でイッテしまった。

霞掛かった眼から涙が流れた。

その涙を進一郎が優しく拭う。

「お前は昔から鈍感で、身近に危ない奴がいても気づかなくて、俺はいつも気が気じゃなかった。俺の気も知らないで…」

「………?」

「そんなに無防備だから、あんな奴に隙をつかれるんだ。」

「ごめん…俺が悪かったから、もう許して…」

進一郎は涙を流す俺をぎゅっと抱き締めた。

「もう俺以外の奴に触らせるなよ。」

「進一郎以外には触らせない。」


機嫌を直した進一郎は、俺に口付けを落とした。

角度を変え何度も交わされる口付けに、心が満たされていく。

そして、俺達は空が明るくなるまで愛し合った。