秋が水を飲みながら答えた
もう弁当は食ったみたいだな


「なかなか満足のいく写真が撮れなくてな、時間かかっちまった」


俺は机の上にあった水のペットボトルを手に取った
そのまま、口に水を一口含んだ


「秋と和はいつも早いな」


空いていた椅子に座りながら言う


「僕は特にこだわりがないからね、陸みたいにあんまり意見も言わないから」

「そーかよ」


和は弁当を食べながら答えた
うまそうだな

今は減量中…こいつ、目の前で食いやがって


「食べたいでしょ?」


一口分箸にのせてこっちに見せてきた
和の顔を見ると笑顔で俺を挑発するようだった

こいついい性格してる


「減量中って知ってんだろ、早く食っちゃえよ」

「知ってても言いたくなるんだよ、でも陸が可哀想だから早く食べてあげる」


和は弁当を食べ続けた
俺に見えないように隠しながら食べている