島津くんしっかりしてください

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「おぉ、来たな。真見、島津。じゃあさっそくこれ仕事な。資料室にこれ返してきてくれ」



「はーい……」



「……」






ニコニコと上機嫌に笑う先生に、顔が引きつりそうになりながら返事をする。






やりたくない……本っ当にやりたくない……面倒臭い……。






腕にどっさりと乗せられたファイルの塊。






かなり重い……さては先生自分で戻すの面倒だっただけでしょ……。






しかもこれ文化祭に全く関係ないし。







ため息をつきそうになるのを必死に抑えて島津くんと職員室を出た。







……というかこの人、今まで一言も発してないんだけど。やる気あるのかな。





ちらっと顔色を伺うものの、その表情は凍り付いたかのように変わらない。






……そんなの、私が言えることじゃないか。

サボらずに来てくれただけでも、いいとしよう。







「島津くん、ほら行こ。さっさと終わらせちゃおう」






そう声をかけると島津くんはこくりと頷き、後ろをついて来る。






……この人喋れるのかな。