島津くんしっかりしてください

「……いや、私先輩の話じゃなくて、島津くんの話聞きたいんだけど」



「あ、ごめんごめん。話脱線しちゃった」






てへぺろとお茶らけて返すその顔をどすっと指すと、ようやく加奈子は話す気になったようだった。






「いい? 島津っていうのはね……」






そこから加奈子が話した内容をまとめてみると、こんな感じ。








島津陽平。


学年一のイケメン。


今彼氏にしたい男子ランキング一位に選ばれたこともあり、その人気は今も衰えることを知らず、学年問わず毎日のように告白をされている。










「……ふーん。つまり鹿島先輩と同じタイプってこと?」



「それが、ちっがうんだなー」



「?」







チッチッチと指をふる加奈子にきょとんと首を傾げる。







「違うって、何が?」



「なんとね、島津はね……告白されても『無理』って一刀両断。
取りつく島も与えられないの! 千年に一度の美少女、あざといぶりっ子、癒し系ふわふわ美少女だって。今までにフラれた女子の数はいざ知らず!」




「へー……鹿島先輩は違うの?」



「違う違う違う! 全っ然違うから! 先輩はフる時も優しいって聞いたもん!」



「おん……」






剣幕すご……。