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〈誠 side〉
「どうかしたの? 誠ちゃん」
「え?」
オーナーの木下さんに声をかけられて、ハッと我に返った。
手元には大量に積まれた洗い物の山。
「あ……っごめんなさい、木下さん。ボーっとしてて……」
慌てて手を動かす私を木下さんは不思議そうに見つめた。
「めずらしいねー誠ちゃんが仕事中に考え事なんて。何かあったの?」
「あはは……何もないですよ」
人の家に預けた妹が心配で仕事に手が付かない。
……なんて、いえるわけがない。
どう考えても過保護が過ぎる。
木下さんには軽く妹の説明をしたことがあるけど、まさか私がそんなにシスコンをこじらせているなんて考えないだろう。
木下さんは優し気な茶色の瞳を細めて、小さくため息をついた。
「今日はお客さん少ないねー」
「そうですね。めずらしいですよね」
私が働いているカフェは決して大きくないけど、コーヒーが美味しいと有名で、それなりに客も入る。
それにオーナーの木下さんは昔有名なバリスタだったらしく、普段は昔馴染みのいわば常連客も一定数見かける。
それなのに今日は店の中はがらんとしていて、奥のテーブルに数人いるほかは空席だ。
〈誠 side〉
「どうかしたの? 誠ちゃん」
「え?」
オーナーの木下さんに声をかけられて、ハッと我に返った。
手元には大量に積まれた洗い物の山。
「あ……っごめんなさい、木下さん。ボーっとしてて……」
慌てて手を動かす私を木下さんは不思議そうに見つめた。
「めずらしいねー誠ちゃんが仕事中に考え事なんて。何かあったの?」
「あはは……何もないですよ」
人の家に預けた妹が心配で仕事に手が付かない。
……なんて、いえるわけがない。
どう考えても過保護が過ぎる。
木下さんには軽く妹の説明をしたことがあるけど、まさか私がそんなにシスコンをこじらせているなんて考えないだろう。
木下さんは優し気な茶色の瞳を細めて、小さくため息をついた。
「今日はお客さん少ないねー」
「そうですね。めずらしいですよね」
私が働いているカフェは決して大きくないけど、コーヒーが美味しいと有名で、それなりに客も入る。
それにオーナーの木下さんは昔有名なバリスタだったらしく、普段は昔馴染みのいわば常連客も一定数見かける。
それなのに今日は店の中はがらんとしていて、奥のテーブルに数人いるほかは空席だ。


