「お、そうなのか、坂田? 真見がそう言うってことは本当なんだなぁ。よし、それじゃあ坂田はついてこい、休憩できるところまで体支えてやるから」





「え?? ちょ、誠……っこの前いじったこと怒ってる⁉ 今はまずいって……!」





「ほら、こんなに冷や汗をかいて……先生、坂田さんのこと頼みますね」




「う、裏切者ぉぉぉお……!」










裏切り者?







私はそもそも今回の事に関して仲間だったことはない。







先生の悪口を言っていたのも、授業に文句を言っていたのも加奈子だけ。







私は一言も愚痴を漏らしていない。









さらば加奈子、せいぜい先生を仲良くしておくんだな。









君の事は忘れないよ。








加奈子と先生をそこに置いて、残りの距離を再び走り始める。












幸いにも運動神経はそこまで悪くない。




だるいだけで持久走は苦手じゃないし、すぐに走り切ってしまって、水分補給をしようと給水場まで歩いて行った。








するとそこには、見覚えのある茶髪がきらめいていて。









視線に気が付いたかのようにこちらを振り返る。