……とは、言ったものの。





「あれから島津くんに避けられまくってまともに話できてない……」



「あらあら~」







力なく呟いて机にうつ伏せる私に、加奈子は間延びした声を上げる。








それからによによと口元の緩み切った笑みを浮かべた。









「『あの』誠が恋ねぇ~? ずぅ~っと誤魔化してた誠が、ねぇえ?」



「……うざ」



「あらら? 照れ隠しデスかぁ~?」



「……」









加奈子は私の恋バナを聞くのがそれはもうとても楽しいようで。






頬を緩めつつも、あくまでいじるという体制を崩そうとはしない。








「まこちゃんったらかわいいねえ、ね? 琴音ちゃん?」






そう琴音に声をかける加奈子。






琴音はきょとんと動きを止めて、それからにっこりと笑顔を浮かべた。








「まこちゃんようへ―お兄ちゃんのことだいすきだからね」