島津くんしっかりしてください

走って、走って走って。







駅前のイルミネーションが勢いよく通り過ぎる。











たどり着いたのは、駅前のクリスマスツリー。




あの日、琴音と見た。




ポスターに記されていた場所。









暗がりの中で、色とりどりの光が形を作って、幻想的な光景が美しく夜の街を飾り付けていた。











そこまで来て、ようやく足を止めた。









心臓がばくばくと暴れているのは、息が切れているだけじゃない。









急に家から連れ出して、突如として黙り込んだ私に、島津くんは苦し気に顔を顰めた。











「さ、真見、さん……?」




困惑して、弱々しい声を出す島津くん。






私は少しの間息を整えようと深呼吸をした。








どくどくと耳の奥で心拍が響く。





暴れまわる心臓を握り込んで、細く息を吐き出した。





それから、島津くんを振り返る。