あの家に行ってから、数日後。






私はあの日雨に降られてしまったせいか、風邪をひいてしまって、数日間寝込むことになってしまった。






ようやく登校できたのは、夏休み前最後の登校日だった。






校長先生の無駄に長い話をうまく受け流し、目を細めた。






……毎日気まずいよなあ。






こんな時思い出すのは、島津くんのこと。






あれから、島津くんとは話していない。






島津くんがあからさまに私を避けるようになって、夜の相談もしなくなった。









……あの日。



私が島津くんに叫んだ言葉は、全部本音で。






あんなにはっきりと言った自分に驚きはしているけど、嘘なんて一つも言っていない。






だから、島津くんに避けられていることは本来喜ばしいこと。






……その、はずなのに。






どうして、こんなにも心臓が痛いんだろう。






一体、どうして……?






********************







「あ、真見―」



「はい?」






終業式を終えて、教室へ戻ろうとした時、背後から酒井先生が声をかけてきた。






「明日から夏休みなんだが、文化祭実行委員会の集まりが何回かあるから、よろしくな」



「……は」






同時に渡されたプリント。



そこには、夏休みの予定がびっしりと書き込まれていて。






「まぁ、そういうわけだからよろしくな!」



「え、ちょ待っ……」






いってしまった。



酒井先生さては、文句いわれるのわかって逃げたな……。






はっと、短く息を吐き、再びプリントに目を落とす。









……うーわ、ナニコレ。






仕事多すぎて、夏休みが夏休みしてないよ? これ。






なるほど、文化祭実行委員がなかなか決まらなかったのは、これが原因か。