「真見さん! 協力してくれない⁉」



「……はい?」






呆気にとられる私の前にいるのは、懇願するようにこちらを見つめる超絶イケメン。






あぁ、神よ……私の目はどこかおかしいのでしょうか。





いや、この世に神なんていないのは知っているけど、そう問いたくなるほどにこの状況は不可解なものだった。





何故こんなことになっているのか、事の発端は数日前まで遡る。












********************











「……お……ろ」



「ス―……スー……」



「……起きろ」



「スヤァ……」



「いい加減起きろ、真見!」



「スー……んぅ?」





誰か……私に、話しかけてる?






段々とその声色には怒りが交じり、ついには肩まで揺らされたので、仕方なく上半身を起こした。






一体誰? 私の安眠を妨げたのは?






霞む目をこすり、前へ視線を向ける、と。






「……おはよう。真見」



「……げっ」






そこにいたのは、にっこりと微笑む酒井先生。






でもよく見たらその口元は無理やり口角を上げたかのようにピクピクと動いていて、噴火直前だということがわかる。






酒井先生はうちのクラスの担任で、面白い先生として有名だけど、それと同時に授業中の居眠りは絶対に許さないマン。






やば……寝てたら休み時間終わって授業中になってた。






でも仕方がない、六時間目なんてもう睡魔に襲われて、しがない女子高校生の私はフラフラよ、もう。