日下部(くさかべ)さんは全然変わっていなかった。

飾り気がなくて凛としているのにどこか儚げで可愛らしい。驚くほど中学生の時のイメージのまま彼女は大人の女性になっていた。

彼女の私服を見たのは修学旅行の宿や卒業遠足の遊園地などだったからカジュアルなパンツスタイルだった。けれど待ち合わせ場所の駅前に現れた彼女は爽やかな水色のシャツワンピース姿だった。すごくよく似合っていて見とれてしまう。

日下部さんはきょろきょろしていて俺と目が合うと一度目を逸らしてからもう一度遠慮がちに見つめてきてハッとした様子になった。そんな彼女に近づく。中学の頃はあまり身長差がなかったのに今は彼女がかなり小さく見える。