岳斗くんと過ごした甘い夜 (短)



「そりゃ、ね」

「……」

「引っ越し屋さんを呼ぶほどの荷物は、誰だって迷惑だと思うよ」

「え」

「家出ってね、ボストンバック一個くらいの荷物で充分足りるんだよ」



だからね、がっくん。



「もう一度、一緒に住みたい……。

私、がっくんの事が好き」

「春陽……」

「それと、もう一つ――

おはよう、がっくん」



その言葉に、がっくんも顔がほころぶ。



「おはよう、春陽。

言いたい事があるんだ。

聞いてくれるか――?」




「もちろん」と私は頷く。

そして夢でしたように、お互いの手を握る。その後は2人揃って、ゆっくりと前に進むのだった。




【End】