岳斗くんと過ごした甘い夜 (短)


「お、お父さんは?」

「もうとっくに会社に行ったわよー。春陽も早く用意しなさい、今日も学校よ」

「う、うん……」


煮え切らない頭のまま、自室に戻る。とりあえず着替えようと、そう思って階段を上った時に目に入るお兄ちゃんの部屋。



「何も、ない……」



がっくんの荷物はなにもない。

あるのは、お兄ちゃんのものだけ。



「がっくん……待ってて」



急いで着替える。下に降りて、お母さんが用意してくれたアサリの味噌汁を飲んで、急いで玄関を出た。



「ちょっと春陽―!?」



お母さんの声が家の中から聞こえるけど、でも、ごめんお母さん。



「私、どうしても確認したいことがあるの……!」



学校まではそんなに遠くない。

まだ登校お時間よりは早いこともあって、歩道も全く混雑していなかった。



「はぁ、はぁ……っ」