◇
朝、目が覚める。
下からトントントンと包丁の音がした。
「がっくん……?」
私の横にがっくんはどこにもいない。
じゃあがっくんが包丁を使って、何かを作ってくれてるってこと?
「それはそれで、怖い……」
恐る恐る、一階に降りる。
だけど、そこにいたのはがっくんではなかった。
「あら、春陽おはよう」
「お、お母さん?あれ、がっくんは?」
「がっくん?誰よそれ、どんな夢見てたの?」
「え、だって……お母さんいつ帰ってたの?」
するとお母さんは持っていた包丁を置いて、私と目を合わせた。
「20時頃よ。なのにあなたときたら、もう寝ちゃってるんだもん。どこか調子が悪いのかと思ってビックリしちゃった」
「20時……?」
え、だって、がっくんとコンビニに言ったのは21時だったはず……。



