岳斗くんと過ごした甘い夜 (短)



「「ごちそうさま」」



にっちもさっちもいかなくなった私たちは、揃って手を合わせる。



「洗い物しとくよ」

「いい、俺がやる。春陽は休んでろ。今日は色々あったろ」

「(張本人なんだけどな)」



けど、その気遣いが嬉しくてお言葉に甘える。自分の家だというのに、ソファに座って、がっくんが片付け終わるのを待った。




「ねえ、お腹すかない?」

「お前の腹こわれてんじゃねーの?」



がっくんが片付け終わって、二人でゆっくりテレビを見ていた頃――女の子にはかかせない、食後のデザートタイムがやってきた。



「甘い物は別腹なの」

「ストックあんの?」



いつもお菓子を貯めている棚を見る。うん、見事に空っぽ。