「「ごちそうさま」」
にっちもさっちもいかなくなった私たちは、揃って手を合わせる。
「洗い物しとくよ」
「いい、俺がやる。春陽は休んでろ。今日は色々あったろ」
「(張本人なんだけどな)」
けど、その気遣いが嬉しくてお言葉に甘える。自分の家だというのに、ソファに座って、がっくんが片付け終わるのを待った。
◇
「ねえ、お腹すかない?」
「お前の腹こわれてんじゃねーの?」
がっくんが片付け終わって、二人でゆっくりテレビを見ていた頃――女の子にはかかせない、食後のデザートタイムがやってきた。
「甘い物は別腹なの」
「ストックあんの?」
いつもお菓子を貯めている棚を見る。うん、見事に空っぽ。



