お昼の時間になり、いつも通り10分ほど空けてエレベーターに乗り込んだ。
後に続いて同じフロアの人が数人入ってくる。
3階で一度止まったエレベーター。
扉が開くなり、また数人入ってくる。
よく知る人物と目があった。
だけどその人は、これまたよく知る人と肩を並べて前に向き直した。
この前は私のすぐ隣にいて、手を握ってくれた。
今は別の人の隣に立っている。
こんなに近くにいるのに、何だか遠く感じた。
…あれは夢だったのかな。
私の想いが強すぎた故の幻覚だったのかもしれない。
1階に到着し、先に降りる二人の後ろ姿をぼーっと眺めながら、そんなことを考えていた。
歩幅を小さくし、少しずつ二人との距離を伸ばした時だった。
「あら雅ちゃん、今からお昼?」
後方から声が掛かる。鈴木さんだ。
郡司さんから色々聞いてから話すのは初めてだ。
「ん?何だか元気ない?」
鈴木さんは顔を覗き込む。
表情に出てしまっていたかと慌てた笑顔を作った。



