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とても気持ちがふわふわする。
仕事に差し支えない程度に、幾度となく自分の手を見つめ、あの時のことを思い出す。
大きくてゴツゴツしていて、温かい手だったな…
私、ついに郡司さんと…
「あれ?付き合ってる?」
先程までの幸福感がスーッと消えて行くのが分かった。
「ん?付き合ってる?」
向かいの大橋さんが顔を覗かせる。
思わず心の声が漏れてしまっていたようだ。
いけないいけない、今は仕事中。
「い、いえ、何でも!」
モヤモヤを振り払い、パソコンの操作に集中する。
あの日、食事から帰った後、私は郡司さんにお礼のメッセージを入れた。
特にやりとりが続くこともなく、次の約束もないまま止まっている。
手を繋いだことで、てっきり私は郡司さんと付き合っていると思ったけど、そう言えば直接告白されたわけでも、付き合おうと言われたわけでもない。
私たちの関係って…?



