エレベーターから始まる恋

よくエレベーターで乗り合わせ、気づいたら独特の色気漂う雰囲気に目を惹かれ、気になる存在になっていた。

こうして二人きりのときもあるし、人を何人も挟む状態でただ同じ空間にいるだけのときもある。
私は彼を認識しているが、彼は多分、私を知らない。

こうしているうちに、彼は3階で降りていった。
彼はいつも3階で降りる。
このフロアに勤めている社員なのだろう。
だけど、3階にも数社オフィスが入っているから、どこの会社なのかもわからないし、名前も知らない。

そんな彼に、私は思いを寄せている。