とある週明けの朝の出来事だった。
前日、休日出勤で地方のメーカーに出向いており、その足で会社に出勤したのだが…
誰もいないエレベーターに一人乗り込み、閉まるボタンを押そうとしたとき、腰を曲げた女性がよろよろと入ってきた。
身長が180センチを超えている自分の目線からは、こんな姿勢の小柄な女性が一体何者なのかすぐに判断がつかなかった。
「…大丈夫ですか?」
「え…?」
恐る恐る声をかけてみると、その顔はよく知る人物だった。
「顔色悪いけど、大丈夫ですか?」
「は、はい…なんとか」
いつも以上に様子がおかしい。
具合でも悪いのか…
側面に身を預ける彼女が気になりながらも、どうすることもできないでいる自分。
このまま何もせず目的地に辿り着いてしまうと内心焦り、ふと思い出してカバンの中身を漁った。



