エレベーターから始まる恋

エレベーター前は相変わらず人だかりができている。
3階に降りたところで、このフロアのコンビニに行くのであろう人たちが数人おり、それと入れ替わるように新しい人が乗ってくる。

「エレベーター増やした方がいいと思うのは俺だけ?」

「同感です」

小声でこそこそ話しながら奥に詰めていく。
ふと顔を上げると、乗ってきた人の中にグンジさんの姿があった。

「…っ」

気のせいかな。一瞬だけ目があったような気がした。
だけどグンジさんはすぐに前に向き直り、隣のスラっとした女性と何やら会話をしているようだ。
あの人は…誰?

後ろ姿しか見えないけれど、ミルクティブラウンの腰あたりまで伸びた髪は緩く巻かれており、その佇まいから放たれるオーラに圧倒される。

グンジさんと並んでもとても絵になる、そう思った。

「…大丈夫?」

「あ、は、はい」

1階に到着し、ぞろぞろと押し流されるように降りた。