エレベーターから始まる恋

「おい坂本!また遅刻か!仕事遅いんだからせめて早く出社したらどうなんだ!」

もちろん遅刻なんかしていない。
ギリギリ5分前だ。
いつもならムッとしているところだが、今日の私は何だか気分がいい。
それが顔に出ていたのか…

「な、なんだ、何がおかしい…」

「いえ〜何でも!今日も一日頑張りましょ〜う!!」

威勢のいい石岡さんが圧倒されている様子だ。
うん、気分がいい。

席につき、デスクに栄養ドリンクをそっと置いた。
ここに飾って辛いことがあった時に眺めるんだ。


あっという間に午前の業務が終わった。
ぐーっと伸びをして肩のこりをほぐす。

「なぁ坂本さん、それずっと置いてあるけど飲まないのか?」

後ろを通りかかった大橋さんが栄養ドリンクを指差す。

「これは見て楽しむものなんです!」

「え、そ、それを?」

満面の笑みで大きく頷く。
本来は飲んで力をつけるものである。