俺が入口から一番近い3人掛けのソファーに座って待っていると、風音君はトレイに乗せ、見るからに冷えたグラスを持ってきた。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
「それと、バッグ。こちらでお間違えないですか?中、確認してみて下さい。」
「これです!ありがとうございます!」
「無事に戻って良かったです。」
「ああー、本当にありがとうございます。何かお礼をさせて下さい!」
「お礼だなんて、気にしないで下さい。」
「それじゃあ、俺の気がすみません。何でも言って下さい!」
「な、んでも…」
「?」
テーブル越しに俺の前に立つ風音君は、下を向き考えているようだった。
店の利益に貢献出来るよう一週間連続で来店だってするし、会社の奴らに片っ端から声掛けて連れてくることも出来る。本当は、この秘密の花園を教えたくはないが、致し方ない。
それか、このカフェに合った宣伝方法の無料相談でも構わないぞ!
俺クラスになれば、お得意様から引っ張りだこだが、納得いくまで付き合おう!
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「な、んでも…」
「?」
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